働かない弁護士に意義がある

働かない弁護士に意義がある 

私は働くのが大好きなんですね。事務所の若手弁護士が一所懸命働いている姿を、いくら見ていても見飽きないほど働くのが好きなんです!(おいおい)
そんな仕事好きの私ですから、先日入院して、10日も働くことが出来ないときは、とても辛かったのです。そこで、働けない自分を正当化するために、少し前にベストセラーになった、「働かないアリに意義がある」を読んで見ました。アリやハチといった昆虫の、とても面白い話が載っています。
 
アリはコロニーを作って、共同で生活してますよね。そんな共同社会での、各アリが担当する仕事内容がとても面白いんです。例えば、若いアリは、巣の中の安全な仕事を担当するそうです。一方、歳をとったアリは、巣の外に出されて、危険な仕事に従事します。仮に巣の外で事故等が起こった場合、寿命がたくさん残っている若いアリよりも、歳とったアリが死んだ方が、コロニー全体に与えるダメージが少ないわけですね。非常に合理的に出来ているのです!
この辺、年長者が大切にされている人間とは違いますね。うちの事務所でも、先日、闇金とのドンパチがあったんですが、年長者の私ではなく、一番若い20代の若手弁護士に行って貰いました。(おいおい!!)
 
コロニーの大きさによって、そこに属するアリの形態が違っているなんて話もあります。巨大コロニーのアリは、一匹一匹の身体の作りが粗雑で、あたかも取り換えが利く大量生産品の様だそうです。それに対して、小コロニーに所属するアリは、体の作りが精密で、ボディーの各パーツの狂いが少ないということです。
弁護士の場合も、巨大法律事務所に属する弁護士に比べて、うちの様な小規模事務所の弁護士は、精密に作られているに違いありません。(あほか!)
さらには、兵隊アリは、外見は強そうですが、現実の戦争になると闘わないで逃げるなんて指摘もありました。いつもはエラそうにしているが、現実の争いになると頼りにならなくなる、そんな弁護士を見た思いがしたのです!(だ、誰のこと?)
 
ということで、働かないアリの話です。アリの社会では、2割のアリは全く仕事をしていないそうです。アリが生まれたときに個体識別をつけて観察したところ、なんと死ぬまで一度も働かなかったアリさえいたんですね! ここで面白いのは、そういう働いていないアリを人工的に排除したとしても、残ったアリのうち、やはり2割は働かなくなるということです。こうなりますと、働かないアリが一定数いるということが、アリのコロニーにとって意義のあることではないかと思えてくるわけです。
 
アリ自身には、ほとんど知性はなく、本能的に行動しているだけです。各仕事に優先順位をつけることもできません。そういう中で、全てのアリが熱心に働いていたら、緊急事態(巣の中の卵に異常が生じたなど)に対応できなくなります。そういうときの予備労働力として、働かないアリに意義があるそうです。
 
働かないアリに意義があるのなら、働かない弁護士にもきっと意義があるはずだと確信したのです。入院中、なんとかその「意義」を掴もうと、病院のベッドの上で考えに考えました。しかし、思いつきません。しょうがないので、これからも、仕事の時間を削ってでも、考え続けていこうと思ったのでした。(そんなことしてないで、少しは働けよ!!)
 

◇弁護士より一言

人間の場合、働くにあたっての一番のストレスは、仕事そのものではなく、人間関係だそうです。私も会社勤めが長かったので、よく分かります。部長や課長といった上司に気を使って、とても疲れます!
こんなことを先日妻に話していたところ、それを聞いていた中学生の娘が、「私は部長に気を使わないわよ!」なんて言い出したのです。
「お前、会社にいつ行ったんだよ?」と追及したところ、会社ではなく部活の部長だそうです。
部長さんに、少しは気を使えよ!
(2014年10月16日 第135号)
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