人道弁護士の占い

第226号 人道弁護士の占い

「一流の人は占いを信じないが、超一流の人は占いを尊重する」と聞いたことがあります。私なんか、どうしても「占い」と聞くと、胡散臭いものを感じてしまいます。その一方、超一流の企業家や政治家が、いざというときに占いを頼るという話をよく聞きます。レーガン大統領が占星術によって重大な政治的な判断を行っていたというのは有名な話ですよね。嘘か本当か、安倍総理も、占いを愛用していると読んだことがあります。そうしますと、占いには何かあるのではないかという気にもなって来ちゃうのです。夢占いなんて、洋の東西を問わず、昔からあります。旧約聖書のヨゼフの話なんて有名です。(「この暑いのに、またウンチクかよ。」と言われそうですけど。ううう。。。) 

エジプトの宰相として活躍するヨゼフが、7年後に飢饉が来ることを夢占いで知る話ですね。占いを信じた王様の対応で、飢饉を逃れることが出来ます。夢占いは、その後フロイトの研究などで、心理学の一部にもなりました。そう考えると、バカにできないものがあります。中国の古典には、占いについての面白い話がたくさん載っています。古代中国では、戦や政治の重要局面では、占いに頼りました。そんな中で、占いの結果を無視したために、戦争に負けたような話が記載されています。占いというのは、無視してはいけないものという認識があったのでしょう。その一方、占いを信じなかった、大政治家の話も同じように、古代中国の歴史書には載っています。今から2500年以上昔の、子産という宰相の話です。有名な占い師が、「国宝の盃を壊さなければ大火事が起こる」と占ったというんですね。宰相の子産は、そんな占いは無視したところ、本当に大火事が起こり、沢山の人が死にました。

その翌年も、また占い師が同じ占いをしたそうです。周りの人たちは、「人の命の方が大切だから、国宝を壊そう。」と進言したんですが、子産は聞かない。そのときの子産の有名な決め台詞がこれです。「天道は遠く、人道は近し。及ぶところ非ざるなり。」 天の働きは深遠だが、人智の及ぶ範囲はごく狭い。人である占い師に、天の働きを知ることなど出来るものではない、ということです。結果的に、二度目の火災は起きなかったと歴史書には記載されています。占いなど信じなかった、合理主義者の子産は、一流の政治家として、当時の歴史書でも褒め称えられています。私も、子産はとても偉い人だと思います。その一方で、なんか頑なな人だなという気もしちゃうのです。みんな不安に思っているんだから、国宝くらい壊したって良いじゃないかということです。中国史に出てくる超一流の政治家だったら、最初の占いを聞いたときに、それに従ったのではないか、そうしたら、本当に最初の大火事も起きなかったのではないかという気がするのです。この辺が、子産は一流の政治家だけど、超一流とは言えない気がする理由です。もっと言えば、子産の言葉からは、「政治のことは俺たち専門家がやるんだから、素人の占い師など出る幕がない!」といった気持ちも感じちゃいます! 弁護士は法律の専門家ですから、法的な問題に対しては、素人の意見など、まともに聞けないと考えてしまいがちです。もちろん、弁護士が占い任せで仕事をしたら問題です。しかし、「占いなどまるで信じない。」という態度は、自分の専門分野の知識体系からはずれたものについては、受け付けないという態度に通じるようにも思えます。様々な意見を謙虚に聞くことのできる、超一流の弁護士になりたいものです。

弁護士より一言

妻は中学1年の息子にとても甘いです。そんな妻でも、息子を本気で叱ることもあります。同じ程度の怒りが私に向けられたときには、しばらく怒りが持続するのに対して「ママ、なんか手伝いするよ!」なんて息子に言われると、妻は息子を怒ったことさえ本当に忘れてしまいます。先日も息子に怒っていたので、「占いによると、その怒りは数時間後には消えるよ」と教えてあげました。妻は、「そんなことない!」と言っていたんですが、結局私の占い通りになっちゃいました。(それって占いとは関係ない気も。。。)

(2018年8月1日発行 大山滋郎)

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