邸宅弁護士の塀

第315号 邸宅弁護士の塀

日本の家はつまらないと、以前から感じていました。普通の家は、どれもこれも似ている上に、車持っていない人でも、駐車場付きなんですね。駐車場スペースを、家を素敵に見せるために使えるのにと、残念に思うのです。豪邸というような大きな家になると、今度は要塞化しちゃってます。「内部を絶対に見せないぞ!」という、強い決意を感じてしまうのです。豪邸は、どれも塀しか見えないので、外から見れば同じなんですね。そんなに豪邸ではなくても、庭や家の形がよく見えて、「本当に素敵だな!」と思える邸宅の方が、ずっと良いのではと考えているのです。ということで、また無意味に知識をひけらかしますが、「どちらの邸宅が上か」という点について、論語に話があります。孔子の高弟に子貢という人がいますよね。口八丁手八丁の、非常に優秀なお弟子さんということで有名でした。そこで世間では、孔子よりも子貢の方が優れているなんて評判が立ちます。

 

それに対して子貢が、「とんでもない誤解だ!」と、こんな説明をします。「自分はたとえて言えば、塀の低い小さい家と庭が、小奇麗に整っているようなもの。一方孔子先生は、素晴らしい大邸宅と大庭園が、高い塀に囲まれているようなもの。そしてその中に入れる人は本当に限られている。だから、外から見ただけの人は、私の小奇麗な家の方が優れていると思うのですよ」 た、確かに子貢先生は、口が達者だと分かります! ただ、子貢さん、単に口がうまいだけじゃなくて、話の内容も、大変もっともだと思います。人当たりが悪く、とっつきにくい人でも、懐に飛び込んでみれば本当に優れた人だと分かったなんて経験、多くの人がしているはずです。それとは逆に、一見親しみやすくて良い人そうに思えても、よく知るにしたがってメッキが剥げてきたなんてことも、いかにもありそうです。ということで、弁護士の話です。

 

弁護士でも、こんな風に二種類に分類できそうです。パッと見は良いが、よく知れば「平凡な家」だったなという弁護士がいる一方、一見取っ付き難いが、知れば知るほど、「これは凄い豪邸だ!」と分かってくる弁護士もいます。一般的には後者の方が優れているということになりそうです。論語の中でも、そのように扱われています。

しかし私は、これはおかしいのではと、以前から思っているのです。だいたい、高い塀を家の周囲に張り巡らすような人は、サービス精神に欠けていますよね。どんな素敵な家でも、道行く人に楽しんでもらわなければ、宝の持ち腐れです。一方、小さい普通の家でも、庭に可愛い草花を植えて、見る人を楽しませる方がよほどいいと思うのです。道を歩きながら、庭の草花を楽しんでおきながら、後になって大邸宅と比較して、「あそこはちょっと見栄えが良いだけの安売り住宅だ!」なんて批評したら、品性を疑われるでしょう。奇麗な家と庭を評価した人たちが、気軽に訪問するというのは、とても良いことに思えます。少し前までの弁護士業界は、高い塀を巡らした豪邸しかないような状況だったと思うのです。道行く人は、中を見ることもできません。もちろん、中には孔子のような凄い豪邸と庭園がある場合もあります。

 

その一方、高い塀の中は、荒れ果てた庭と、ボロボロのお化け屋敷しかなかったなんてこともよくあったのです。現在弁護士の人数が増える中で、弁護士邸宅も小ぶりになってきました。塀もとても低くなってきています。多くの弁護士が競って、邸宅の中を道行く人に見せて、「是非うちに寄って下さい」と言っています。こういった現状に対して、「豪邸弁護士」は不満を持っているようです。「安売りの建売住宅を増やしてどうするんだ!」といった感じでしょう。

しかし、たとえ豪邸といえない家でも、雨風から人を守れるなら、十分役に立っているはずです。他人の家をとやかく言わずに、高い塀を取り除き、自慢の大邸宅を、道行く人たちに見せて欲しいものです。

 

弁護士より一言

我が家は、妻が気合を入れて手入れしますので、客観的に見てもかなり素敵だと思います。庭には、季節ごとにとてもきれいな花が咲きます。折角の花だから、多くの人と分かち合いたいと思ってSNSに投稿しています。そうすると何故か、私が庭の手入れをしていると、誤解している人も出てきちゃいました。「私がやってるのに…」と妻に苦情を言われちゃいました。                                                                                                               (2022年4月16日 大山 滋郎)

 

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