弁護士のジローです
第308号 弁護士のジローです
初笑いして貰えると嬉しいです。お笑い芸人に、ヒロシさんっていますよね。ホストみたいな恰好で、下を向いて、「ヒロシです」という言葉に続いて、自虐的なことをつぶやきます。「ヒロシです。『何時から居たの?』と聞かれたけど、最初から居ました」なんて感じです。
私、昔からヒロシさんの、僻んだよう笑いが大好きだったんです。「ジローです。『先生のニュースレター、愛読してます。本当に面白い! 毎月1回出すのは大変ですね』と、多くの人に言われました。でも、私のニュースレター、月に2回出してるんです」 これまで、言いたくても言えなかった言葉ですが、新年のおめでたに紛れて、吐き出してしまいました。
「ヒロシです。『誰でも良いから彼氏が欲しい!』と言っていた女性に、振られました」 如何にもありそうなことで、思わず笑ってしまいます。もっとも私の場合、弁護士として独立したときに、同じようなことがありました。「ジローです。『取り敢えずどこでも良いから、顧問弁護士を探しています』という会社が、依頼してくれませんでした。。。」 な、情けない。
ヒロシさんは家にいるとき、ダラダラ過ごしているようです。「ヒロシです。果報は寝て待てって言いますが、どれくらい寝ればいいんでしょうか?」 私も妻に、「いつも寝ている!」と怒られていますが、なかなか果報は訪れないのです。「ヒロシです。1日家に居て、万歩計は27歩でした」 なんていうのもありました。どんだけ寝てたんだよ!と呆れる一方、私の休日も同じようなものだと、暗澹とした気持ちになるのです。
もっとも、最近のヒロシさんは、ソロキャンプで有名になっています。一人でキャンプをするために、山を一つ買ったそうです。羨ましい。実は私も、ヒロシさんに負けないように、山登りにトライしているのです。去年なんて、高野山と比叡山に登っちゃいました。
ただ、私の登山は、「結果にコミット」してますから、過程は問いません。「ジローです。比叡山の頂上まで、ケーブルカーで登りました。万歩計は、153歩でした」 更にヒロシさんには、こんなのもありました。「ヒロシです。なにも失敗していないのに、ドンマイって言わないでください」 これって、弁護士の仕事でもあります。「ジローです。うまく証人尋問できたと思っていたのに、『次回、頑張れば良いよ』なんて言わないで下さい」 な、なんか同業者ネタになってきちゃいました。ヒロシさんの自虐的なつぶやきの中で、私の一番好きなのはこれですね。 「ヒロシです。愚痴を言うのを止めたら、話すことが無くなりました」 思い当たることが多すぎて、怖くなります。「ジローです。自慢話と説教を止めたら、若手に話すことが無くなりました」 でもこれ、私だけではなさそうです。
そもそも、多くの男性の場合、仕事を止めたら、何をしていいのか分からない人が沢山いるそうです。「ジローです。弁護士の仕事を止めたら、することが無くなりました」なんてならないように、気を付けたいと思います。
もっとも、こういう仕事熱心な弁護士は、ある意味立派ですね。多くの弁護士が、情熱をもって、最新判例など勉強しています。「ジローです。勉強するのを止めたら、他の弁護士と話すことが無くなりました」とならないか心配です。「ヒロシです。最近耳が悪くなり、客席の笑い声が聞こえなくなりました」なんていうのも、私にとって耳が痛い。
お笑い芸人にとって、お客さんの笑い声が聞こえなくなるのは、致命傷のはずです。
「ジローです。最近目が悪くなって、お客様の笑顔が見えなくなりました」なんてことの無いように、精進してまいります。
本年も引き続き、どうかよろしくお願い致します!
弁護士より一言
「なんかパパってネガティブなんだよね」と、娘に言われました。娘によると、私はそもそも雰囲気が暗い、「陰キャ」なんだそうです。がっかりしていると、「私も同じだから、そんなにがっかりすることないって!」と明るく娘に励まされました。ううう。
「ジローです。光が明るければ明るいほど、影がますます黒くなって、落ち込んでいくとです。。。」
(2022年1月5日 大山滋郎)