弁護士の3(3/3)

第329号 弁護士の3(3/3)

キリスト教でも、「3」は特別な数のようです。三位一体については、前に書きました。神は現象としては3つの異なる姿をしているが、実体は1つだということです。実体が1つなら、何でわざわざ「3」を出してくるんだよと、思わず突っ込みを入れたくなります。キリストに戻ります。ユダの裏切りで逮捕されるとき、キリストは、弟子のペテロに言います。「あなたは鶏が鳴くまでに3度、私のことを知らないという」 ペテロは断固否定します。「私は主を見捨てるようなことは、絶対にしません」 しかし、本当にキリストが逮捕されると、急にビビリだすんですね。

周りの人たちから、「こいつもイエスと一緒にいたぞ!」なんて言われるたびに、「とんでもないことです。あんな男のことは全く知りません」なんて、「3回」も強く否定しました。人間は弱いですから、いよいよとなると、自分を守るために他人を売るんですね。刑事事件などでも、共犯関係にある人が、お互いに裏切って相手の悪事を暴くなんてことはよくあります。また、警察としてはそれを期待して、共犯者は別々の留置場に入れることにしています。

こういうときに、弁護士が一方の共犯者の意向を受けて、他の共犯者のところに出かけて行って、「変なことしゃべるなよ!」と圧力をかけたと疑われた事件も起こりました。もちろん、そんな風に疑われた弁護士は、「私はそんなこと全く知りません!」と、3度?まで否定したんでしょうか。聖書のペテロですが、キリストのことを3回も「知らない」と裏切っていながら、初代ローマ教皇になっています。

 

一方、ユダは1回だけ裏切りました。キリストを銀貨「30枚」で売り渡したので極悪人とされています。この辺は、直接自分で手を下してキリストを売った人と、単に「知らない」と否定した人の違いはあります。法律の世界でも、こういうことはあるのです。自分で犯罪を行う場合を「作為犯」といいます。

これに対して、犯罪等が生じているのに、それを防止しない場合は、「不作為犯」ということで区別されています。法律の世界では、作為犯の方が重く処罰されるのが常識です。これに対して、宗教の世界でも同じように考えるというのは、少し変な気もしました。「3」の話に戻ると、処刑されたキリストの復活は、処刑から「3日後」のことです。キリスト様は、どんだけ「3」が好きなんだろうと感心してしまうのです。

もっともこの「復活」ですが、反キリストの人達は、「イエスの遺体を仲間達が盗み出していっただけ」と、聖書に記載があります。現代の裁判所が「常識」をもとに事実認定した場合、反対派の人たちの主張が通りそうな気はします。こんな風にキリスト教では「3」は特別な数ですが、西洋思想全体において、同じことは言えそうです。「三権分立」なんて有名です。国の機関を、立法、行政、司法の3つに分けて、それぞれが協働すると共に牽制するという制度です。大変結構な制度だと思う一方、何で「三権」なのか、今一つよく分からなかったものです。「裁判所」などの「司法」は、立法や行政に比べてかなりしょぼいです。そんなの予算を見れば明らかです。

変なこと言うなと怒られそうですが、最初に「3」の「三権」があって、後から「司法」を持ってきたのではと疑いたくもなります。「3」は、悪い意味でもよく使われます。「三日坊主」は、直ぐに飽きて止めてしまう人のことですね。「減量なんて簡単だ。今までに100回以上減量している」なんてジョークがありました。み、耳が痛いです。私もせめて、3か月は減量を続けたいと、毎回強く思っているのですが。。。 

 

「三文判」といえば実印ではない、その辺で売っている安い印鑑です。法律の書類では、かなり重要なものでも、「三文判」で良いケースがあります。法的文書に押す印鑑を忘れたとき「わざわざ持っていくのも大変だから、適当な三文判を買って適当に押しておいてよ!」なんて言うお客様も結構いたのです。

 

弁護士より一言

「3」シリーズを3×3=9回続けてきました。最後に私の誕生月が「3月」だと報告します! 来年の3月で60歳の還暦を迎えるのを記念して、キリスト教3番目の聖地、スペインのサンティアゴ巡礼で300キロ歩く予定です。そのために減量を始めて、これまでに13キロ落としました。「13」は縁起が良くないので、今年中にあと3キロ痩せたいのす!

(2022年11月16日 大山滋郎) 

 

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