弁護士のおじさん構文

第305号 弁護士のおじさん構文

おじさん構文というのがあるそうです。数年前からあったそうなんですが、私は娘に教えてもらって、つい最近知ったのです。例えばおじさんが、若い女の子に送るときに使う文章です。大して親しくない相手に、「ちゃん」付でナレナレしく話しかけることや、絵文字をやたらと入れてくるところなどが特徴だそうです。こんな感じですね。「〇〇ちゃん、今日もお仕事かな?お寿司?好きかナ?⁉️❓?❗❓こんど、ごちそうするネ✋??」 絵文字多様のふざけた構文で、下心を隠しているように見えますね。ネットを見ると、「おじさん文章ジェネレーター」なんてものまでありまして、「おじさん構文」を作る手助けをしてくれます。これを使いますと、句読点が多い長文で、漢字の代わりにひらがな・カタカナを多用した文章を作ってくれます。この文章の特徴である、セクハラみたいなことを言いながら、最後に「ナンチャッテ」などの言葉でごまかすというところまで再現してくれます。「〇〇チャン、ゆっくり、休んでね!仕事は、大事。でも休みも、大事!!元気になったら、おじさんが、いやしてあげるヨ。ナンチャッテ!!」(あ、アホか) うちの事務所では、児童買春事件の弁護もよく扱ってます。ネットの掲示板なんかで、買春の相談しているのを、警察がチェックして事件が発覚することも頻繁にあります。少女を誘うようなことを書けば、警察の捜査が入ります。しかし、家出してきた少女に「おじさんの家に来れば、いやしてあげる。ナンチャッテ!」と書いておけば、「ナンチャッテ!があるから冗談だな」と警察も見逃してくれるに違いないのです。ナンチャッテ!

 

ということで、おじさん構文について学ぶうちに気が付いてしまったのです。私がニュースレターで書いている文章って、「おじさん構文」に相当程度当てはまるんです。もともと、顧問先を始め、お客様に出す文章ですから、親しみを出そうという気持ちがあり、かなり砕けた文章である点が似ています。長い文章で、漢字をなるべく使わないようにしているところも、共通点と言えます。極めつけは、「ナンチャッテ」と同じように、文章の中に「あ、アホか」とか「ううう。。。」みたいなのを入れちゃうところです。更に言えば、おじさんの特徴として、大した用事もないのに定期的に、個人的な、どうでも良いことを書いた「俺通信!」を送りつけることがあげられるそうですが、こ、これって私の「ニュースレター」そのものじゃないですか?❗❓ ナンチャッテ。。。

 

というわけで、私もこれからは開き直って、「おじさん構文」をマスターしようと決意したのです。そこで、この構文の本質は何かと考えてみました。(こういう理屈っぽいところも、おじさんの特徴と言われそうですけど。。。) おじさん構文の本質は、「上から目線だけど、相手に媚びている」ということです。「仕事は、大事。でも休みも、大事!!」みたいな、人生の先輩風アドバイスをする一方、絵文字やひらがなや若者言葉で、にじり寄っていく感じです。と書いていて、ハッと気が付いたんです。「上から目線だけど相手に媚びている」文章って、世の中に沢山ありますよね。政治家の文章なんてそうです。こないだの選挙のポスターで、「なにより、いのち。ぶれずに、つらぬく」なんていうのがありました。内容が、何となく上から言っているように思えます。ひらがなと句読点も多用されています。これに絵文字まで付け加えたら、立派なおじさん構文になりそうです! こういった、おじさん構文的な特徴は、弁護士の市民向け文章についても感じるところです。おじさんは、そんなふうに、ならないよう、きをつけるネ✋❗❓(^_^;)

 

弁護士より一言

「俺通信」のニュースレターですが、いい加減書くことが無くなってきて、毎回凄く苦しんでます。今回も直前まで全く何も書けないで悩んでいたら、娘から「パパ休刊しなよ!人気作家じゃないんだから、みんな気にしないよ!」なんて言われちゃいました。少し気を悪くしましたが、娘に「おじさん構文」を教えて貰えたお陰で、今回も何とかなったのでした。

 (2021年11月16日 大山 滋郎)

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