弁護士から国民を守る党

第296号 弁護士から国民を守る党

「NHKから国民を守る党」というのを聞いたとき、何かの冗談かと思ったものです。この政党、様々な政党名で地方選にも出ています。「不登校を考える党」「動物愛護推進党」「議席を減らします党」はまだしも、「HAGE党」となってくると、「いったい何をしたいんだろう?」と考えてしまいます。ハゲの人の人権を守るための党なんでしょうか?これならそのうち「DEBU党」なんて政党もできそうです。あまりにふざけていると思う一方、少数の人が関心を持っている事項を拾い上げるやり方として、これはこれで面白いのではとも思います。

 

弁護士の場合、少数派の権利保護のため裁判を起こします。最近では、同性婚や夫婦別姓を認めないのは憲法違反だと、裁判で主張していました。これはこれで意義のあることですが、少数者専用の政党を作り、選挙の形で賛同者を募るという方法も、社会運動に関心のある弁護士は、参考にできるのではないかと思うのです。「同性婚推進党」とか、「夫婦別姓実現党」なんてどうでしょう。実際問題、NHKから国民を守る党は選挙で結果を出して、国会に議員を送り込みました。投票率が低い中で、「NHKを叩くためなら、投票所に行くぞ!」という人が、相当数いたわけです。NHKのどこがそんなに嫌われているのかと言いますと、放送を見たくもない人から、強制的に受信料を徴収するところのようです。無理やり受信料を取られるのでは「これじゃまるっきり押し売りだろ!」と怒る気持ちも分かります。ただ、現在のNHKの仕組みができたのは戦後になってからなんです。戦争中は「大本営発表」で、国民が国からの一方的な情報しか受け取れなかった。そこで、公平中立な報道をできるように、国から経済的にも独立した組織にしようということで出来たのが、NHKです。ところが、受信料を自分で徴収しようとしても、払わない人が必ず出てきます。その場合には、結局は国家権力の助けを得て、強制的に支払わせることになってしまう。国から独立して、国を批判すべき立場なのに、やっていることは国に頼っての受信料強制徴収です。今のNHKを「国家権力の陰に隠れて受信料を強制徴収する悪の組織」みたいに思っている人は相当数いそうです。考えてみますと、NHKと同じような矛盾を抱えている組織って、結構あるように思えます。

 

例えば、企業ごとに組織された労働組合なんてそうですね。組合は労働者のために会社と対決する組織のはずですが、そのための組合費は、会社によって給与から強制天引きされます。「入りたくもない組合に無理やり加入させられたうえ、給料から天引きされるなんて」と、組合に対して、面白くない感情を持っている会社員は結構いそうです。ということで、弁護士についてです。弁護士も、NHKと同じように国家権力から離れた在野の立場で、権力と対立することが期待されています。そのため、法律業務については独占的に取り扱うと共に、弁護士会という強力な組織を作り、広く自治が認められているのです。これによって、制度的にも国と対立できるようにしているわけです。しかしこれにはデメリットもあります。弁護士に業務独占権が認められているので、弁護士報酬は高止まりしています。弁護士資格の無い人が安い費用で弁護士業務を行おうとすれば、「非弁行為」ということで犯罪になります。弁護士会は国家権力を用いて、非弁行為を強く取り締まり、自分たちの業務独占を守ってきたわけです。この辺のやり方が、NHKと基本的によく似ています。そんな弁護士会に不満を持つ人が増えたならば、そのうち「弁護士から国民を守る党」ができてしまうのではと、不安に感じているのです。

 

弁護士より一言

子供達との距離を縮めたいと、楽しい話を披露するんですが、中々うまく行きません。先日も、「4月5月毒ガス」というダジャレを言ったところ「何そのおやじギャグ」と冷たいことを言われました。先代林家三平師匠の力作なのに。。。 「おやじギャグを擁護する党」ができたら、必ず投票しようと思ったのでした。              (2021年7月1日 大山 滋郎)

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