弁護士の三国志

弁護士の三国志

男って、どうでもいいことで張り合いますよね。「水滸伝の百八人を漢字で書けるのかよ?」「そんなの常識だろう。それじゃ君は、金陵十二釵を言えるのかい?」みたいな競争です。(あ、アホか!)
というわけで、「男のロマン」、「三国志」です。私も「三国志人名事典」や「三国志名言集」みたいな本を暗記して、研鑽に研鑽を積んできたのです。。。
 
三国志の中で一番有名な名言は、なんと言ってもこれです。「自分が他人を裏切ろうとも、他人が自分を裏切ることは許さない!」 治世のエリート・乱世の英雄、曹操のセリフです。メチャクチャな言葉ですが、曹操が言うと、とてもカッコいいです!! 私も真似して言いたいですね。「自分が依頼者を裏切ろうと、依頼者が自分を裏切ることは許さない!」 アホか! そんな弁護士に依頼する人はいないだろう。考えてみますとこのへんが、曹操の天下をとれなかった理由に思えてきました。(でも魅力的です)
呉の孫権にも名言はありますね。父親の孫堅、兄の孫策の陰に隠れて、地味な人ですが、本当に良いことを言っています。「人の長所を評価して、短所は忘れる。」 これって本当に、上に立つものに必要なことです。私も頭では分かっているのですけど、ちっとも実践できないのです。ついつい人の欠点ばかり目に入る一方、長所は忘れてしまいます。
次は、劉備です。この人は、自分の才能は大してないのに、自分よりもはるかに才能のある人を使いこなした凄い人です。無名の若造であった諸葛孔明を3回も訪ねた「三顧の礼」なんて有名です。「自分が孔明を得たのは、魚が水を得たようなものだ」なんて、凄い殺し文句です。負け戦の中、趙雲子竜が寝返ったと聞いときの「子竜は絶対自分を裏切らない!」という信頼の言葉なども、器の大きさを感じます。「人を信頼できる能力」とでもいうのでしょう。
 
あまり言いたくないですけど、弁護士の場合も「後ろからの一突き」を心配することは多々あるのです。依頼者があとから何か言ってくるのではと、心配したことのない弁護士は居ないはずです。劉備のような、相手に対する信頼感があれば、結果的にきっとうまくいくのでしょうね。見習いたいものです。
 
三国志の名言の中で、特に記憶に焼き付いているのは、「断頭将軍」厳顔(げん がん)の言葉です。張飛に敗れて捕虜となり、降伏する様に言われたときに「わが国には、頭を断たれる将軍はいても、降伏する将軍はいない」と言った人です。そんな厳顔に対して、張飛は怒って怒鳴りつけるんですね。しかし厳顔は、落ち着いて言い返します。「首を切るならさっさと切ればよいだろう。なぜ怒る必要がある。」
子供のころにこれを読んで、本当に感動したのです。
学校の先生にお説教をされる度に、「罰するなら罰すればいい。なぜお説教をする必要がある。」なんて生意気なことを考えていました。もちろん、厳顔みたいな根性はないので、口に出しては言いませんでしたけど。(って、イヤな子供だなあ。。。)
 
弁護士として多くの刑事事件を担当してますと、法律違反をしていても、特に「悪いこと」をしているとは感じていない人が一定数いることが分かってきます。
薬物犯罪なんてそうですよね。「欧米では認められている大麻を日本で吸って、何か悪いんだ。」と考えている人は相当数います。誰にも迷惑かけてないだろうというわけです。でもこれは法律違反ですから処罰せざるを得ないでしょう。そういう裁判でも、検察官や裁判官で、しつこくお説教する人がいるのです。被告人が、「罰するなら罰すればいい。なぜお説教をする必要がある。」と言ったら、検察官たちはどういう反応をするのだろうと、思わず考えてしまうのです。
 

弁護士より一言

小さいころは、「パパと結婚する」と言っていた、娘達も、中学生になってからは、だんだんとパパへの厳しい評価を言うようになります。すると、娘達の言葉を聞いていた小4の息子が、フォローしてくれたのです。「自分が女なら、パパと結婚するよ!」
あんまり感動したので、息子に、パパのどこが良いのか聞きました。
少し考えて、「ぽっちゃりしていて、
髪が白いところ。あと、目つきが優しいところ!」
そ、そこですか! もっと優しい目つきになります。
(2015年8月16日発行 第155号)
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