弁護士もそうしてます

弁護士もそうしてます

様々な国の人を説得して、川に飛び込ませるにはどうしたらよいかという笑い話があります。アメリカ人には、「飛び込めばヒーローになれるぞ!」、イギリス人には「紳士は飛び込むものだ。」、イタリア人には、「飛び込めば、女性にもてるよ。」と言えば良いそうです。日本人の場合はどうかというと、「他の人も、皆さん飛び込んでます。」と言えば良いんですね。ことほど左様に、日本人は他人に影響され易いそうですが、これって、別に日本人だけの特徴じゃないんです。アメリカの心理学の本に、人の意見を変えさせるにはどうすれば良いのか書いてありました。「どんな状況下で、あなたは自分の意見を変えますか?」といった抽象的な質問をすると、多くのアメリカ人は、「納得のいく理由を説明してもらったとき。」と回答します。ところが、現実にどういう場合に意見を変えたかを分析すると、理論によって説得されることはほとんどないそうです。「皆がそうしている」場合に、大多数の人は自分の意見も変えたのです。物を売る人達は、こういうことをよく分かっていますから、宣伝の文句に、「何百万人が使っています。」とか、「全米興行収益NO.1」みたいな言葉を使うんです。みんな使っているから間違いないということです。弁護士の場合も、「皆さんそうしています」というのは、とても大切なんです。私は、20年ほど昔に、アメリカのロースクールに留学していました。アメリカは判例法の国ですから、多くの裁判例が蓄積されています。それだけに、頑張れば頑張るほど「皆さんこうしています」といえる裁判例が見つかるんです。自分の主張を有利にするために、似たような裁判例を集める方法を学びました。最近は日本でも、過去の裁判例が整備されてきています。そうなると、紛争が生じるとすぐに、依頼者にとって有利な裁判例を沢山見つけようとするんです。「皆さんそうしています」というのが事実上、裁判官に対しても、一番効力があると信じているからです。

裁判官だけでなく、検察官にも「皆さんそうしています」は活用出来ちゃいます。多くの犯罪では、被害者と示談することがとても重要です。しかし、被害者の情報は、検察官を通してお願いし、本人の了解がないと教えて貰えません。そんな中、検察官からどういう風に伝えて貰えば、被害者様が会ってくれるのかが一番大切な問題です。うちの事務所では、検察官に次のように被害者に伝えるようお願いしています。「示談するかどうかは別にして、皆さん弁護士に会うだけ会って話を聞いていますよ。」こう伝えて貰えると、会って貰える確率が高くなるのです! 刑事事件で、起訴するか否かについて、検察官には非常に広い裁量権があります。同じような事件でも、検察官によって、起訴か不起訴か分かれることはよくあるのです。うちの事務所では、依頼者を不起訴にするために、検察官を何とか説得するよう全力で当たります。しかし説得にあたり、どんなに理屈で攻めても駄目なんですね。「はいはい。ご意見はお伺いいたしました。」なんて感じで対応されちゃいます。そこで、うちの事務所では類似事案について、他の検察官がどういう処分をしたかの一覧表を作成しています。それを持参して、「この検察官も、この検察官も、似たような事件で不起訴にしてますよ。」というと、「皆そうしているならまあいいか。」と、不起訴にしてもらえる場合がとても多いのです。もっとも、先日これをしたところ、相手の検事さんも、自分で沢山の先例を調べて、「多くの検察官が起訴しています!」と言われちゃいました。

け、検事さん、止めてください。皆さんがどうとかではなく、り、理屈で考えてください。ううう。。。

弁護士より一言

うちの子供たちが、親に対して何かおねだりするときの決まり文句が、「他の子もみんな持っているよ!」なんですね。「みんなって、誰だよ!」なんて言いながらも、本当にみんなが持っているなら、ついつい買ってしまいます。考えてみますと、私も自分の親におねだりするときは、同じように言ってました。この親にしてこの子ありなんですね。

(2018年9月18日 大山滋郎)

 

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