二種類の弁護士
第236号 二種類の弁護士
新年おめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。ということで、まずはどうでもいい話から始めさせてもらいます。「世の中には二種類の人間がいる」なんて言い方、皆さん聞いたことありますよね。単純化しているだけに、よい所を突いていたりします。
「世の中には二種類の人間がいる。できない理由を探しだす人間と、できる方法を見つける人間だ。」なんて、有名です。正月早々、み、耳が痛いです。
「常に前を見ている人間か、常に後ろを見ている人間かだ。」というのもありました。弁護士の場合は、過去の紛争を、法律を用いて解決するのが主な仕事ですから、どうしても後ろを見てしまうことになりがちです。もっと未来を見ないといけないと、自分でも思います。もっともこれと似た教訓に、「世の中には二種類の人間がいる。明日を見つめている人間と、明後日の方向を見ている人間だ。」なんて言うのもあったのです。私は、未来を見ようとして、明後日の方向を見ているのではと心配になったのでした。な、情けない。結婚について、こんな言葉がありました。「世の中には二種類の男がいる。結婚を後悔している男と、結婚していない男だ。」 ほ、本当ですか? 私は結婚に満足しているから、どちらにも入りません! さらには、こんなのもあったのです。「世の中には二種類の男がいる。浮気をする男と、浮気したくても女性に相手にされない男だ。」 そ、そうだったんか。私の場合、相手にされないだけだったんだなと、正月早々厳しい事実を突きつけられて、気分も沈みます。もっとも、男性だけではなく、女性についても厳しい指摘があります。「女性には二種類いる。友達が痩せたときに気がつく人と、友達が太ったときに気がつく人だ。」 でも、これって女性だけの話じゃないですよね。私の場合も、事務所の若手弁護士がうまい対応をしたときはスルーするくせに、失敗した時にはどうにも気になって、一言言ってしまうんです。(最低じゃん。。。)
職業についても、二種類に分けることは出来そうです。「世の中には二種類の新聞がある。事実を伝える新聞と、何かを応援するだけの新聞だ」なんてどうでしょう。スポーツ新聞なんて、そもそも「応援」新聞ですよね。報知新聞は巨人を応援する新聞ですから、見出しを見ただけですと、常に巨人が勝っているように読めちゃいます。「巨人8回の裏に、メッタ打ちの大攻勢」なんて見出しにあるから、当然巨人が勝ったのかと思うと、大負けしてたりします。もっとも、これはスポーツ新聞に限りません。前回の自民党総裁選のときの見出しで、「地方の反乱 うなだれる安倍陣営」なんてありました。一瞬、え、安倍さん負けたのなんて思ってしまったら、本当は圧勝じゃないですか。こういうときには、「自民総裁選 安倍首相の圧勝」と見出しを作るのが、正しい新聞の在り方だと思っちゃいます。まあ、スポーツ新聞も一般の新聞も同じようなものだと思えば腹も立ちませんけど。。。
法律家にも、二種類います。「世の中には二種類の裁判官がいる。自分が支配者だと思っている裁判官と、サービス提供者だと思っている裁判官だ。」なんてどうでしょう。なんか勘違いしているとしか思えない裁判官が一定数いるというのは、弁護士共通の認識です。この辺は、裁判官だけでなく、検察官でも同じことです。弁護士については、「世の中には二種類の弁護士がいる。人権を一番に考える弁護士と、依頼者を一番に考える弁護士である」なんでどうでしょう?
少し前までは、依頼者のことなんて二の次という弁護士が沢山いたように思います。最近は良くも悪くも、依頼者にサービスを提供するというスタンスの弁護士が増えています。人権を守ることを忘れずに、お客様のために戦う弁護士になりたいものです。
弁護士より一言
「優しい人間には二種類いる。強いから優しくなれる人と、弱いから優しくならざるを得ない人だ。」なんていうのもありました。新年にあたりこれまでを振り返ると、私の「優しさ」はかなり怪しいものだったなと反省しました。お客様のために、強い弁護士を目指します! (2019年1月7日 大山滋郎)